CONDITIONING MAGAZINE

中村貴咲 vol.1 友達と一緒だったから楽しめた

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【vol.1】 友達と一緒だったから楽しめた。

2016年、アメリカはテキサス州オースティンにて開催されたX Gamesオースティン大会で、アジア人初となる金メダルを獲得した中村貴咲さん。まだ16歳とあどけない笑顔が印象的な彼女に、スケートボードの魅力、肌で感じた日本と海外でのスケートボードシーンの違い、そしてカラダづくりについて話を聞きました。

スケーターはその人だけのスタイルを持っている。

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――X Gamesのオースティン大会スケートボード競技パークスタイル種目で日本人初、アジア人初となる金メダルの獲得おめでとうございます。優勝が決まった瞬間、どのような気持ちでしたか?

「優勝が決まったときはあまり実感がなかったけど、嬉しかったです。日本に帰国してから、まわりの人からの反響がすごくてそれにびっくりしました(笑)。最初から優勝を目指していたわけではなくて、初出場だから楽しんで自分の滑りをしようと思って滑った結果が優勝やったんで、一番嬉しいですね。」

――スケートボードとはどのような競技でしょうか?

「自分がやっているのはパークスタイルという種目です。審査基準は高さ、スピード、技の難易度なんですけど、スケーターはその人だけのスタイルを持っていて、一人一人のカッコ良さとかスタイルがあるので、同じ技でもみんな違うものになります。例えば、飛んだときにクイッと足を入れてカッコ良く見せるとか、細かいことだけどスケーターにとってはそれが大きな違いでもありスタイルなんです。自分にとっての武器は回転系の技で、ミラーフリップもそうだけど横に回る技が得意です。」

――パークスタイルは事前にコースを下見するんですか?

「図形だけ知っています。だから、会場に行かないとコースの全貌はわからなくて、しかもコースでの練習時間も前々日と前日の2時間ずつの計4時間だけなので、限られた時間の中でどういうラインを組むのかを決めて、相手選手のラインを見たりメモを取りながら構成していくんです。そこですべてが決まる、大事な工程です。」

――そもそも、中村さんがスケートボードを始めたキッカケを教えてください。

「6歳の頃、お父さんが遊びでサーフィンをやっていて、娘にもやらせようと思っていたんですけど、小さくて泳げないから陸トレ(陸上トレーニング)としてスケートボードを始めることになりました。だけど、サーフィンよりもスケートボードのほうにハマっていったんです。多分、友達と一緒にやっていたから楽しめたんだと思います。最初はスクールに通って、そこで3〜4年練習しました。幼稚園の友達と習いに行って、その子はやめてしまったけど、スクールで新しい友達に出会ったりして。最初はスケートボードにハマったというよりも、友達とわちゃわちゃできるからつづいたんだと思います。」

コーチがいるわけではなく独学で滑りやカラダづくりを追求。

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――海外の大会に出場してみて、日本と海外のスケーターでどのような部分に違いを感じましたか?

「一番は、やっぱりみんな楽しんでスケートボードをしている。もちろん全員がそうではないけど、例えば日本のスケーターは楽しむだけで終わってあまりスキルアップを追求していなかったり、練習をやらされている部分があるんですけど、海外の選手は楽しむ部分はきちんと楽しみながら、練習はストイックに行うというメリハリがあるんです。大会で言うと、海外に行くまでは約1分のルーティンの中で転倒するのが普通だと思っていたんですけど、海外に行くと転倒なしですべての技をキメるのが普通。得点も海外だと1人が滑り終わったあとにすぐに出るんですけど、日本だと全員が滑り終わってから結果が出るので、海外のほうが進行のテンポがいいし公平性も保たれている印象を受けました。」

――中村さんのように、海外で実績を積む日本人スケーターは多いのでしょうか?

「1年前までは全然いなかったんですけど、最近は増えてきていますね。アメリカの大会に出るためには、アメリカのスケーターや関係者から認知されていないと出られないので、みんなに"どうやったら出られるの?"ってよく聞かれます(笑)。自分は、一度アメリカに練習しに行ったときにいろいろな人と友達になって、そこから自分が出たかった大会でMCをしている方と繋がれたので、"大会に出たいんだけどどうしたらいいか?"って自分で作った英文と動画を送ったんです。それがキッカケで出場できることになりました。出場が決まってから親に話したので、すごくビックリしていましたけど(笑)。」

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――てっきり大人の方たちが段取りをしているのかと思っていました(笑)。

「スケートボード業界はまだまだそういうコネクションが少ないから、自分自身で動かなきゃあかんやろうって思います。」

――カラダづくりが大事だと思いますが、普段はどのような運動をしていますか?

「スケートボードってカルチャーなので、コーチがいるわけではなく独学で滑りやカラダづくりを追求していくんです。だから、トレーニングというトレーニングはスケーターにはないんですけど、オリンピックの追加種目にも決まったので、みんなちゃんとした選手になろうと頑張っているところです。自分も最近はトレーニングに行ったりヨガに行ったり、ストレッチボールを使った体幹トレーニングを家でやっています。スクールはあっても初心者が通うくらいのスクールなので、プロがコーチに教えてもらうということはなかなかないですね。」

文/溝口元海

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【PROFILE】


中村貴咲 KISA NAKAMURA

2000年生まれ、兵庫県出身。

6歳の頃からスケートボードを初め、8歳で初参戦を果たした「VERTMEETING」のバーチカル種目では、大人の参加者を差し置いて優勝を果たすなど頭角を現す。

その後も、「VANS USオープン」や「Girls Combi Pool Classic」といったスケートボードの本場であるアメリカの大会で入賞を果たし、2016年には世界最高峰のエクストリームスポーツの祭典「X Gamesオースティン大会」スケートボード競技で、アジア人初となる金メダルを獲得。

サーフィン、スノーボード、スケートボードなどの功績者を選出する「JAPAN ACTION SPORTS AWARDS 2016」において「SKATER of the YEAR」を受賞。


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