CONDITIONING MAGAZINE

高尾憲司 vol.1 結果を出す、コンディショニング

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【vol.1】 結果を出す、コンディショニング。

中・長距離のトップランナーとして日本、そして世界を舞台に活躍されてきた高尾憲司さん。引退後はランニングクラブ運営などを通して一般市民ランナーに走ることの楽しさを伝えるとともに、大学で次世代トップランナーの育成にもチカラをそそいでいる。現役時代、そして引退後の現在も"走ること"を追求しつづける高尾さんに、コンディショニングの考え方を聞いてみた。

ケガをして、コンディショニングの大切さに気づいた。

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――現役時代はトップランナーとして活躍し、引退後も指導者や研究者など、さまざまな立場で走ることを追求されています。走ることのプロフェッショナルである高尾さんが考えるコンディショニングとは?

「結果を出すためにベストな状態をつくること。アスリートの世界は結果がすべてです。結果を出すためにどんなトレーニングをするべきかを考え、 そのトレーニングをこなせるカラダもつくっていく。目標とする結果に向かってやっていること全部がコンディショニングですね。」

――トレーニングだけでなく、生活のすべてがコンディショニングだと。

「アスリートでも、一般の方でも、誰にでも平等に与えられているものが、ひとつだけあります。それは1日が24時間であるということ。この24時間をどうアレンジするかで差が出てくるんです。例えば、日常生活でのコンディショニングで基礎となるのは食べることと寝ることですが、ぼくは現役時代、22時に寝ると決めていました。若い頃はたくさんの誘惑がありますし、つきあっていた彼女と大げんかしたこともあります。でも、どんな状況にいても22時になったらスパッと寝る。そうやって自分の24時間をつくっていました。」

――その考え方はいつから?

「ケガをしてからです。高校を卒業して旭化成陸上部に入部し、1年目は全日本で活躍できて、2年目からは世界にも行けた。順調な選手生活でした。そのときは練習のことだけを考えていて、質の高いトレーニングをたくさんこなせば誰にも負けないと信じていました。でも、ケガに負けた。アキレス腱を痛めて、それが引き金となって3回の手術をしました。悲願だったオリンピックにも行けず、精神的にもかなりつらかったですね。その経験から、日々のくらしからカラダをつくっていくコンディショニングの大切さに気づいたんです。」

「これをやりたい」と思ったらチャンスが見えてくる。

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――引退後に大学へ進学し、今は大学院で研究されています。なぜ、勉強しようと思われたのですか?

「それもケガを経験したからです。現役の頃はすべてを犠牲にしてトレーニングを積んできて、世界一になれる自信がありました。でも、ケガには勝てなかった。だから、"ケガをしにくいカラダを研究したい"という想いを持っていたんです。それに、引退後に働きはじめた旭化成繊維部ではスポーツウェアの繊維をつくっていて、携わっていると"走る人のために良いウェアをつくってあげたい"と思うようになって。ぼくには経験はあっても専門知識はないので、大学できちんと学んで、ケガをしないランナーのカラダづくりをサポートしたいと考えたんです。」

――次の目標を見つけたんですね。高尾さんは目標を見つけるのが上手なのでは?

「誰にでも目の前には、たくさんのチャンスが落ちていると思っています。いろいろ迷っていると見えにくいかもしれませんが、"これをやりたい"という意志を持って見渡すといろいろなチャンスが見えてきます。ぼくはランニングで人々を健康にすることを一生の仕事にしたいと願っていて、すべての思考が走ることへと向かっている。とてもシンプルに物事を見ているので、目指すものを見つけやすいのかもしれません。」

――とはいえ、目標がないという人も多い。

「たぶん、みんな目標を持っているんです。でも、それを明確化できていないか、宣言する自信がないか、どちらかなんです。ぼくは大学の陸上部でコーチをしていますが、目標がないと言う学生もいます。でも、そんな学生に『じゃあ、あの選手みたいになりたくないの?』と聞くと、『なりたい』って答えるんですよ。ぼんやりと思っているだけだから見えていないけど、実はちゃんと目標を持っている。ぼくら指導者が目標を見えるようにして、それを堂々と口にできるようにしてあげないといけないんです。」

――冒頭でコンディショニングは『目標とする結果を出すためにやること』とおっしゃっていましたが、目標を見つけることもコンディショニングのひとつなんですね。

「叶えたい目標があればそこに向かう強い気持ちを持てますから、目標を持つことはメンタルのコンディショニングになると思います。」

文/浦山まさみ

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【PROFILE】


高尾憲司 TAKAO KENJI

1975年、京都府生まれ。高校卒業後に旭化成陸上部に入部。中・長距離ランナーとして頭角を現し、1998年バンコクアジア競技大会男子10,000mでは金メダルを獲得。

世界陸上選手権にも2回出場している。引退後はランニングクラブを立ち上げるなど、走ることの楽しさやスポーツでの健康づくりを広く普及。また、大学で男子陸上部コーチも務めている。


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